『万引き家族』の是枝裕和監督と、『花束みたいな恋をした』の脚本家・坂元裕二がタッグを組んだ映画「怪物」は2023年6月2日から公開です。是枝裕和監督・最新作の原作は一体何なのか?どういった内容になるのか?実は2003年に起きたあの福岡での事件がモデルになっているのではないかという噂は本当なのか?映画「怪物」の内容を私なりに考察しまとめてみました。
映画「怪物」の原作・あらすじは?
映画「怪物」のあらすじ
物語の舞台は、大きな湖のある郊外の町。シングルマザー麦野早織(安藤サクラ)とその息子麦野湊(黒川想矢)、生徒思いの学校教師保利道敏(永山瑛太)、そして無邪気な子どもたちが平穏な日常を送っている。そんなある日、学校でケンカが起きる。
それは、よくある子供同士のケンカに見えたが、彼らの食い違う主張は次第に大人や社会、メディアを巻き込みに騒動となっていく。
そしてある嵐の朝、子供たちが忽然と姿を消す。
「怪物」の原作はあるのか?
脚本家・坂元裕二さんのオリジナルの物語のようです。是枝監督は、かねてより「脚本家と組んで映画を作るなら?」と聞かれると「坂元裕二」と答えてきたそうです。
初めて読んだ時から、一体何が起きているか分からない。分からないのに読むのが止められない。どこまで行っても分からない映画が半分くらい行ってもまだ分からないということが、自分(是枝監督)の中にはない物語の描かれ方でしたし、読み進めていくうちに読んでいた自分が作品に批評されていく。エンターテイメントとして最高に面白かったと是枝監督は絶賛されています。
映画「怪物」のおすすめポイント。
まずは、今回映画「怪物」はカンヌ国際映画祭で「脚本賞」と「クィア・パルム賞」を受賞しています。
「クィア・パルム賞」は、2010年に創設されたカンヌ国際映画祭の独立賞のひとつで、LGBTやクィアを扱った映画に与えられる賞で、日本映画としては初の受賞となります。
なぜ今回、クィア・パルム賞を受賞したのか?
審査員長のジョン・キャメロン・ミッチェルは次のように語っています。
物語の中心は、他の子供たちと同じように振る舞うことができず、またそうしようともしない、とても繊細で、驚くほど強い2人の少年。
世間の期待に適合できない2人の少年が織りなす、この美しく構成された物語は、クィアの人々、馴染むことができない人々、あるいは世界に拒まれている全ての人々に力強い慰めを与え、そしてこの映画は命を救うことになるでしょう。
少しずつ映画の内容が見えてきた気がします。
もう一つの映画のおすすめポイント!
今回、映画の音楽を担当されたのは2023年3月にお亡くなりになられた坂本龍一さんです。
残念ながらスコア全体をお引き受けする体力はなかったため、是枝監督からのたってのご所望でピアノ曲2曲を提供されたそうです。後は新しいアルバム「12」からの曲や、古い曲を使って全体を構成してたとか。
これが坂本龍一さんの遺作となりました。映画鑑賞の際には音楽にも注目してみて欲しいですね。
映画「怪物」の元ネタの噂?口コミから考察してみた。
今回、映画「怪物」の記事を調べていると、チラチラと「昔、福岡であった事件に似てる」とか「自分の小学校であった事件と似てる」なんて声が見受けられました。少しどんな事件だったの気になったので調べてみました。
2003年に福岡市で起こった「教師によるいじめ事件」。一人の男性教諭が、アメリカ人を先祖にもつとされる男児に対し、人種差別や体罰などのいじめを行ったという事件である。
教師は「史上最悪の殺人教師」と呼ばれ、マスメディアも扇情的に報道した。福岡市教育委員会は全国で初めて教師によるいじめを認め、男性教諭を懲戒処分。
男児の両親は、福岡市と教諭個人を被告とし、民事訴訟を起こした。だがこの事件、実はクレーマーの親による「でっちあげ」、つまり冤罪だったのである。
家庭訪問の際に男児の曾祖父がアメリカ人という話しになり、それを男児の両親が「血が穢れていると教師に言われた」と学校に乗り込んできたところから始まるのだが、実はこの「男児の曾祖父がアメリカ人」という親の言葉自体が虚偽だと発覚する。
この教師の立場であったならば、恐怖でしかないですよね。でもこれって他人事ではなくて自分にも起こりうる事ですよね。
実際にこの事件が映画「怪物」の元ネタになっているかは不明ですが、一部内容にこういった社会問題を組み込んでいるのではないかと個人的には思いました。
「誰が犯人なのか」「誰が嘘を言っているのか」「誰が怪物なのか」
教師、子供、子供の親、学校・・・色々な立場からの目線で映画は映し出され私たち視聴者にどう問いかけてくるのか楽しみですね。
まとめ
是枝裕和監督と、脚本家・坂元裕二がタッグを組んだ映画「怪物」は2023年6月2日から公開。
大きな湖のある平穏な日常が流れる街の小学校で突如起きた子供の喧嘩から始まった事件。彼らの食い違う主張は次第に大人や社会、メディアを巻き込み騒動となっていく。
音楽は故・坂本龍一氏が手掛け、最初から最後の最後まで一体何が起こっているのか謎を抱えながら繰り広げられる是枝・坂元ワールド。
主人公の少年二人もとても可愛くて、彼らの演技にも注目です!
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